和歌山の特産品といえばやはりみかん!食べやすく、おいしく、健康にも美容にもよいといわれるみかんは、フルーツ王国の和歌山を代表する果実です。今回は和歌山のみかんについて、基本的なことからツウな情報まで余すところなくご紹介します!

なぜ和歌山はみかんが有名なのか

みかん栽培は全国各地で行われていますが、生産量日本一はやはり和歌山です!和歌山のみかん生産量は年間147,800トンで、総生産量の約2割を占めています。

和歌山県、特にみかんで有名な有田地方はみかんのための気候といっても過言ではないほど栽培に適した場所です。有田地方のみかん栽培は約450年の歴史と伝統を誇ります。今から約450年といえば江戸時代。江戸時代からみかんの栽培が行われていたなんて驚きですね。

現在、和歌山で主に栽培されるみかんは「温州みかん」で、一般的には秋から冬にかけて実をつけ収穫されます。しかし、品種改良やハウス栽培も行われるようになり、夏頃から翌春にかけてさらに長い期間楽しめるようになりました。

時期によって流通するみかんの種類が違う

温州みかんは、収穫時期によって大きく4つの種類に分けられます。それぞれ味の特徴があるんですよ。

最も早く収穫できるのが「極早生みかん(ごくわせみかん)」です。毎年9月の中旬頃に収穫されるみかんで、さわやかな酸味にすっきりとした風味を楽しめるみかんで、秋の始まりを感じさせます。

11月の上旬頃から収穫されるのが「早生みかん(わせみかん)」。12月上旬ごろピークを迎えますが、12月下旬ごろまで販売され食べられる馴染み深い品種です。宮川早生みかん、興津早生みかん、田口早生みかんなどがあり、極早生みかんに比べると甘みの強さが特徴。内側の皮(じょうのう膜)も薄く食べやすく、次から次へと手を伸ばしてしまいます。

12月中旬頃から流通するのが「中生みかん(なかてみかん)」です。品種は向山温州などが有名です。鮮やかな橙色の皮と、強い甘み、そして少し平べったい形が特徴です。みなさんが想像するいわゆるみかんのスタンダードですね。

12月下旬から登場するのが「晩生みかん(おくてみかん)」です。一般的には収穫してから一定期間貯蔵し、酸味を落ち着かせてから出荷されます。品種は林温州、幻と呼ばれる丹生系みかん、コク深い青島温州などです。皮も厚めのしっかりとしたみかんで、コクのある濃い甘みが楽しめます。

「みかん」と一言でまとめられることも多いですが、時期によって品種が異なるなど、実はいろいろな「みかん」を楽しめます!

和歌山のみかんの「有田みかん」と「しもつみかん」

有田地方で栽培・収穫されるみかんを「有田みかん」と呼びます。全国的に流通している、温州みかんの代表というべきブランドです。

有田みかんは11月頃から収穫される早生みかんが多く、宮川早生を中心に栽培されています。水はけがよく温暖な地域を生かし、高品質なみかんが生産されています。いずれも糖度が高く、食べやすいのが特徴です。

下津地域で栽培・収穫される「しもつみかん」は、主に収穫後、一定期間貯蔵され流通する貯蔵みかんです。

これらの栽培地域は、伝統的な農業技術や土地景観が保全されている地域をとして、農林水産省が認定する日本農業遺産に「ミカン栽培の礎を気づいた有田みかんシステム」「下津蔵出しみかんシステム」として認定されています。

みかんのルーツである紀州みかん

現在栽培されているのは「温州みかん」ですが、当時に栽培されていた品種は「紀州みかん」と呼ばれるもの。小ぶりな姿から「小みかん」という別名を持ちます。現在も、県内の一部では紀州みかんの栽培が行われています。

江戸時代から人気の高かったみかんですが、現在ほど安定した供給はできませんでした。品薄な上に高価だったみかんを船で江戸まで運び、大きな財を成したといわれるのが現在の有田郡出身であった紀伊国屋文左衛門。みかんを運ぶ船は「蜜柑船」と呼ばれていたのだとか。

紀伊国屋文左衛門は紀州みかんの商売を足がかりに、幕府からの他の仕事も請け負うようになったともいわれています。

和歌山県生まれのみかんの品種

みかんにはさまざまな品種がありますが、やはり日本一のミカンの産地和歌山県。和歌山県で生まれた種も多数存在しています。和歌山の穏やかな気候だからこその特別なみかんをご紹介します。

YN-26

2012年に品種登録されたみかんが「YN-26」です。全国的な知名度はまだこれからですが、今みかん界で期待されている若手品種です。

極早生みかんに分類され、9月の早い時期に収穫されます。青みがかった皮と小ぶりな姿から「酸っぱいかな?」と思われがちですが、意外にも糖度は高め。じょうのう膜は薄く、しっとりとした味わいが楽しめる極早生みかんのおすすめ品種です。

ゆら早生

10月に収穫される極早生みかんの一種である「ゆら早生」も和歌山オリジナルの品種です。和歌山県日高郡由良町で見つかった品種で、極早生みかんの中では一番人気が高いといわれています。

その秘密は甘さと食感。ゆら早生は少々小ぶりで、皮には緑色が残る状態で出荷されますが、じょうのう膜がとても薄く、果実も濃厚で甘いためとろけるような食感が味わえます。流通するみかんの代表格で、たいへん人気のある品種です。

田口早生

有田郡吉備町(現有田川町)で見つかった田口早生も和歌山ならではの品種です。興津早生の枝変わりとして発見された品種で、酸味が少なく濃厚な甘さが特徴。少し平べったい形の果実は、じょうのう膜も柔らかく、果汁もたっぷりのジューシーな味わいです。小さな子ども食べやすいです。

きゅうき

2014年に品種登録されたばかり、年々栽培面積を広げているのが「きゅうき」です。みかんを食べていると皮と果実が離れた状態のものに出会うことはありませんか?その状態は「浮皮」と呼ばれ、個体に問題はないものの輸送しにくい、日持ちしにくいというマイナス点があります。浮皮の原因は気温だとされており、近年の地球温暖化で浮皮に悩まされる農家さんも多いのだとか。

和歌山県ではこの浮皮の少ない新しい品種探しが行われており、有望個体とされているのがこの「きゅうき」です。
中生みかんでありながら、じょうのう膜は薄く早生みかんのような食味が特徴のきゅうき。れからお目にかかる頻度が増えそうな品種です。

みかんはからだに嬉しい成分がたっぷり

冬になるとみかんの食べ過ぎで指先が黄色くなる人もいるほど愛されている果物

みかんには美容にも嬉しいビタミンCがたっぷり。一日に3個程度食べれば、成人が一日に必要な分のビタミンC量が摂取できるといわれてます。ビタミンCは、美肌効果や、免疫系のはたらきを助ける効果もあるとされているので、風邪などの流行しやすい冬にはぴったり!

また、骨を丈夫にし骨代謝の働きを高めてくれるβ-クリプトキサンチンも豊富に含まれています。柑橘系のフルーツに多く含まれるβ-クリプトキサンチンですが、みかんは特に含有量が多く一個で一日に必要な分を摂取できます。

じょうのう膜にも食物繊維(ペクチン)がたっぷり含まれているので、捨てずに食べるのが正解!じょうのう膜の薄いゆら早生や田口早生などであればほとんど気になりませんので、ぜひ一緒に食べてくださいね。

実以外も楽しめるみかん

みかんは果実だけでなく、花も楽しまれています。爽やかな香りを持ち、真っ白で小さな花を咲かせるみかん。例年、5月のゴールデンウィークが過ぎたころに満開となります。このみかんの花のはちみつも和歌山の特産品です。

一斉に咲くみかんの花から蜜を集めるため、とても純度も高く、柑橘を感じさせる爽やかな香りと、さっぱりとした後味を楽しめます。パンはもちろんヨーグルトや果物にかけて食べるのもおすすめ!みかんの産地ならではのはちみつ、ぜひ取り寄せてみてください!

おいしいみかんはこんな特徴がある

続いて、おいしいみかんの見分け方をみかんの一大産地、和歌山からお届け。日本一のみかんの産地だからこそ、良いみかんを見分けるのもお手の物です。

まずは全体の色と皮の様子をチェック。品種にもよりますが、通常は橙色の濃いものの方が味が凝縮されています。皮は浮いておらず、きゅっと引き締まって、なおかつ表面がデコボコとしているものを見つけたら買い!です。

みかんを見ていると、表面がデコボコして菊の花のようになっているみかんがあります。「菊みかん」と呼ばれ、特に濃厚な甘みが凝縮されたみかんです。菊みかんは夏ごろに水分が控えられた濃厚な味のみかんの特徴なんです。

大きさはMサイズ、またはSサイズぐらいのものが皮も薄く味も安定しています。また、ヘタの切り口もチェックして、小さめで黄色くなっているのものを選びましょう。ヘタの切り口が小さなみかんは、枝にぶら下がってなっているものであることが多く、成熟した木など適度な受精の木から穫れたみかんであることが多いです。ちなみに、一般的にみかんは樹齢10年ぐらいからが樹勢も安定しおいしい実がなるとされています。

みかんの保存方法について

旬のみかんを箱で購入する方も多いでしょう。お正月に個数を気にせず、こたつでみかんを食べるのは幸せな冬の過ごし方ですよね。みかんを箱などでたくさん購入した場合は正しい方法でおいしく保存しましょう。

まず箱で届いた場合は、必ず箱を逆さにして後ろから開けましょう。傷んでいたりカビが生えているものがあれば取り除きます。すずしく風通しが良い場所の方が保存がきくので、玄関の近くや軒先で箱の中に新聞紙を引いて置いておくと良いでしょう。冬場は5℃から10℃くらいの冷暗所に保存しておけば2週間から4週間はおいしく食べられます。
冷蔵庫に入れたい場合は水分が失われないようにして必ず野菜室へ。冷やしすぎると甘みが減ってしまいます。

まとめ

  1. 箱で届いた場合は、箱を逆さにして後ろから開ける
  2. 傷んでいるものやカビが生えているものは取り除く
  3. 5℃から10℃くらいの冷暗所に保管していくと2週間から4週間持つ
  4. 冷蔵庫で保管する場合は水分が失われないようにして野菜室で保管
  5. 冬場なら風通しが良い玄関や軒先に箱などに新聞紙を引いて保管するとよい

秋から冬にかけての長期間楽しめ、体にも良く、みずみずしくておいしいみかん。今年の冬はぜひ和歌山のみかんをお取り寄せして楽しみましょう。


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