推し活 みかん部 柑橘王国 わかやま

和歌山といえば、やっぱ「みかん」！温暖な気候をのもと、日当たりが良く水はけの良い傾斜地を活用し、おいしいみかんの産地を農家のみなさんがコツコツ作りあげてきました。9月ぐらいから手にとっていただける温州みかんから、1月から5月に収穫される中晩柑まで様々なみかんが作られています。"柑橘王国わかやま"から、もっとみかんLOVEになる情報をお届けします！

和歌山はみかん発祥の地？

「記紀」によると、田道間守(たぢまもり)が第11代垂仁天皇に命じられ、不老長寿の霊菓といわれる非時香菓（ときじくのかぐのこのみ）―いわゆる「橘」でみかんの原種―を探しに常世国（現在の中国）に渡ります。苦労の末、持ち帰ったのですが、天皇はすでに亡くなっており、田道間守公は嘆き悲しんでその陵に橘を捧げて命絶えたとされています。言い伝えによると、その橘が最初に移植された地が海南市橘本神社旧社地の「六本樹の丘」とか。なお、現在、和歌山で栽培のみかんは熊本県八代から移植されたといわれます。（諸説あります）

全国でもめずらしい
下津「蔵出しみかん」

和歌山県海南市下津地域は貯蔵みかんの産地です。晩生の温州みかんを12月中に収穫し、1～2か月ほど糖や酸味のバランスが良くなるまで貯蔵します。貯蔵庫は、木造・土壁で造られており、この環境が室内の温度、湿度を一定に保ち、貯蔵の間に酸が抜けてまろやかな味に仕上がります。貯蔵箱は特製の木箱を使用します。出荷まで庫内の空気の入れ替えや貯蔵箱の差し換えなど、品質チェックは怠りません。この「下津蔵出しみかんシステム」は日本農業遺産として認定を受けています。

和歌山の温州みかん、
ベトナムへ渡る！

これまで香港・台湾・シンガポールなどへの輸出はありましたが、ベトナムには2021年10月に初めて輸出が解禁されました。同年11月28日に和歌山県有田地域にある登録生産園地のみかんが、日本で最初に出荷され、ホーチミン市を中心に高級スーパーなどで販売されました。令和3年の輸出は2トンでした。来季も海外の皆様に和歌山のみかんを楽しんでもらいたいですね！

オフシーズンは柑橘加工品で

果実そのままもおいしいですが、温州みかん100％ジュースをはじめ、各社のこだわりがギュッと詰まった柑橘加工品が作られています。丸ごとコンポートや中晩柑のジャムやピール、ゼリーなども好評です。近年では、ビールやお酒の原料になるなど、柑橘の加工ポテンシャルは計り知れません。

中晩柑は個性豊かなおいしいみかん。
県内では様々な中晩柑が栽培されていますが、中でもはっさくと三宝柑は日本一の生産量を誇ります。和歌山の中晩柑の一部をご紹介。

はっさく

国内生産量のシェアはナンバーワン
年明けには味がのり、美味

果汁が豊富でみずみずしく、甘みと酸味、苦みのバランスが絶妙です。
漢字で「八朔」と書くのは、旧暦の8月1日（9月下旬）に食べられるということから命名されたと言われています。12月から5月上旬にかけて出荷され市場に出回ります。樹上で越冬させて3月から４月に収穫するものは木成り八朔（さつき八朔）といわれ、酸味が落ちつき、程よい苦味とのバランスが絶妙です。温暖な和歌山で生まれた逸品です。

主な生産地	紀の川市、日高川町、有田川町ほか
旬の時期	1月上旬～5月上旬
分類	ミカン科

三宝柑

ジューシーな果肉はもちろん、
皮も重用される柑橘

名前の由来は三方（三宝）に乗せて第10代紀州藩主徳川治宝に献上されたことからだと言われています。爽やかな果肉とたっぷりの果汁が特徴。厚い皮と形を生かして、茶わん蒸しなどの料理の器に用いられるほか、ゼリーやシャーベットなどの加工品も作られています。

主な生産地	湯浅町、田辺市
旬の時期	3月上旬～4月上旬
分類	ミカン科

不知火（デコポン）

食べごたえたっぷり
甘みも高く老若男女に人気

不知火(読み：しらぬひ)は清見オレンジにポンカンを交配して育成された柑橘です。甘さと酸味のバランスが良く、果皮がむきやすいうえ、薄皮ごとたべられるので人気があります。

主な生産地	紀の川市、日高川町、有田川町ほか
旬の時期	1月下旬～3月下旬
分類	ミカン科

清見オレンジ

あふれる果汁とオレンジの香り
人気の「不知火（デコポン）」の親

宮川早生（温州みかん）とトロビタオレンジを掛け合わせてできた品種です。香りのよい柑橘。重さは200～250ｇで温州みかんより一回り大きめです。清見を親にして、「不知火（デコポン）」や「はるみ」「せとか」が生まれました。濃厚な甘さとたっぷりの果汁が特徴で、内袋はそのまま食べられます。肉質が柔らかいため、皮をむくのは至難の業。ナイフ等で切ってお召し上がりください。